ワールドトレードセンターはなぜ崩壊したのか?
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悪夢の様なこのシーンは何度見ただろうか・・・
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ビル解体の様に真ん中に向かい崩れ落ちる 映画のシーンとしか思えない様な壮絶な状況
夜12時ごろ、仕事中に息抜きに日経NETを見てみるとテロの記事があり、またかと、思いよく読んでみると、ワールドトレードセンターに民間機の突入するテロと報じられており、驚いてCNN/USAのHPへアクセスしてみると、planecrashing into WTC のムービーがアップされていて、それを見て愕然としました。その後、TVをつけて見ると報道番組ばかりでしたが、なんとWTCが崩壊しているではないですか・・・。文明の象徴でもある、超高層ビルの崩壊はまるで悪夢の様でした。その後、なぜ飛行機が突入した後、上層階から崩壊したのか? という疑問が大きく膨れ上がって来ました。構造は専門ではありませんが、いろいろと調べてみました。少しでもご参考になればと思います。
弟の勤めているアメリカの会社の社員がこの飛行機に搭乗していたとの事。
このテロは人として非常に怒りと憤りを感じます。
犠牲になられた方のご冥福をお祈りします。
World Trade Center (1970-1977)
設計 ミノル・ヤマサキ (Minoru Yamasaki)
・ 400m超の2つのビル(ツインタワー)が聳え立つ。あまりに圧倒的。抽象化された上昇感
・ 計画の骨子は2棟方式でまん中にプラザを作る事。それを6棟のビルが囲む
・ オフィス・レストラン・ホテル等の複合施設で敷地は6.5ha
ワールドトレードセンターの構造
WTCビルは外周1mピッチ柱によりフィーレンディールトラスを形成し、これらが外周チューブを形成しています(カーテンウォールではない)。水平外力(主に風荷重)はここで負担するため、内部構造は主として鉛直荷重を支持するようになっています。 基準階床構造は、センターコアと外周部を、4.1mx10.7m及び6.1mx18.3mのフロアパネルで接続しています。フロアパネルは鉄骨トラス、デッキプレート、軽量コンクリートからなっています。(弦材が山形鋼2丁合わせ、ウェブが丸鋼からなる平面トラスを2重梁として用いています。) コア部柱は鉛直荷重により全体で30cm程度変形することを想定して鉄骨加工を行っていることから、柱圧縮応力度は1.5tf/cm2程度と考えられます。(鋼材は41キロ〜80キロ級鋼を使用)
PLAN
以上から推察すると、内部構造は鉛直荷重の応力が支配的と考えられるので、各部材にそれほど余力は無いと思われます。そこに飛行機激突後、飛行機重量、上階の破壊瓦礫が下階床に作用し(火災による熱の影響もあると思われるが)最初の床崩壊が直下の床崩壊を引き起こし、また床の崩壊により柱の水平拘束効果がなくなることで柱が座屈し易くなって崩壊に 至った可能性があると思います。
PLAN
地下部分で地下の擁壁構造で他の建築物も支えられていましたが、WTCが崩壊する事により廻りの地盤も沈下して廻りのビルも倒壊した様です。 周辺の地盤の沈下は徐々に進み、今後他のビルにも倒壊の危険性は広がる様です。
世界貿易センタービル,高温火災による梁床崩壊が倒壊原因か
米ニューヨークの世界貿易センタービルが航空機の激突によって炎上しただけでなく,倒壊に至ったことは,建築の専門家にも衝撃を与えた。リスクマネジメント会社,EQEインターナショナルの川合廣樹常務取締役は,高温火災による梁床の崩壊が建物倒壊を招いたのではないかと推測している。 「ニューヨークタイムスによると,ジェット機のオイルが燃えて1000〜2000度の高温になったという。建物の耐火は通常,フラッシュオーバー時の1100〜1200度を想定している。想定以上の高温火災で床を支える単純梁が保たなくなって梁床ごと落下し,階下の健全な梁床がその荷重を支えられずに,将棋倒しのように倒壊したのではないか」と話す。現時点で得られた材料に基づく推測だ。 世界貿易センタービルの構造はダブルチューブ形式の鋼構造。建物の外周部とコア周りに列柱を配し,外周部とコア周りの柱に単純梁(一端をピン,もう一端をローラーで支持した梁)を架けわたして床を支えていた。梁が単純支持で,剛接合ではなかったことも,将棋倒しのような倒壊となった一因かもしれないと川合常務はみている。同じような構造の場合,わが国では梁を剛接合とする場合が多いそうだ。
日経アーキテクチュア
破壊エネルギー
スワースモア大(ペンシルベニア州)のフランク・モスカッテリ教授(物理学)は、破壊エネルギーは、TNT火薬0.2キロトン相当で、広島型原爆の50分の1との試算をまとめた。
チューブ構造がビル崩壊の原因? 火災で鉄骨もろく
世界貿易センタービルの崩壊は、大勢の消防士や警察官を巻き込んだ。外壁で建物の荷重を支える「チューブ構造」が結果的に、だれも予想しない時間差をつけて惨事を引き起こした。2棟は高さ約420メートル。それぞれの床面積は延べ41万8000平方メートル。北棟は旅客機の激突から約1時間40分後、南棟は約50分後に、上層階が沈み込むように崩れ落ちた。ビルの断面は一辺63.4メートルの正方形。外壁パネルに1メートル間隔で240本の鉄骨が縦に入り、鳥かごのようなかたちでビルを支えていた。
開放感のあるテナント部分を確保するため、内部にはフロア中央のエレベーター付近に鉄骨の支柱があるだけだった。 独立行政法人「建築研究所」(茨城県つくば市)の専門家らの推定によると、激突の瞬間、爆発的な火災が発生。500度をえる炎にあぶられ、鉄骨は徐々に弱くなった。やがて上層階の重みを支えきれなくなり、激突された付近の床が下に抜けた。 いったん抜けると、あっという間に下へ下へと連鎖的に崩れ、その勢いを外壁や柱は止めることができなかった。
日系人の故ミノル・ヤマサキ氏が建築設計を、L・ロバートソン氏が構造設計を担当した。70年に北棟、72年に南棟が完成。鉄骨の半分は八幡製鉄(現・新日鉄)など日本から納入していた。「超高層ビルが、エンパイアステートビルのように石やれんが、コンクリートなどでがっちり固めたものから、現在のように、きゃしゃなタイプに変わっていく転換点に なった」と神戸大名誉教授の山田稔さん(建築構造学)。
このビルで93年に起きた爆弾テロ事件の後、日本建築学会調査委員会の幹事を務めた沖塩荘一郎・元東京理科大教授(建築安全計画)は「日本を含めて世界中の超高層ビルは鉄骨造りが多い。旅客機が激突したら、やはり崩壊してしまうので は」と見る。チューブ構造は日本では少ない。この構造で地震に対応した設計にすると、コストがかさむとされる。国内の超高層ビルは、鉄骨を格子状に組み上げる「ラーメン構造」が主流で、「貿易センタービルより強いだろう」という専門家も少なくない。
Asahi.com
高層ビルなぜ倒壊 側面の鉄骨、火災で溶解か 設計上は想定外
ニューヨークの世界貿易センタービルへの航空機激突とビル崩落のシーンをテレビで見た日本の建築学の専門家は、衝撃を受けながらも、「設計上は想定外のこと」「火災によって鉄骨が溶けたのではないか」と分析している。
前日本建築学会会長の岡田恒男東大名誉教授(耐震工学)は「世界貿易センタービルは鉄骨構造であり、火災で高熱を受けて鉄骨が変質し、崩落したのではないか。航空機には相当の燃料が積んであっただろうし、外壁や内壁も燃焼して長時間で熱を受けたため、鉄骨が溶けてぐしゃぐしゃになったのではないか。積み木くずしのように崩壊が上から下に波及した」と推定する。高田毅士東大工学部助教授(建築構造学)も、「貿易センタービルはオフィスビルなので中央部に柱はなく、側面だけに鉄骨の柱が建っている構造。上層部に飛行機が激突した横からの衝撃だけでは今回のように全壊はしない。柱の鉄が熱せられて溶け始めると、耐久性がなくなり、崩壊してしまう」と分析した。岡田教授は「崩落の原因は、地震でも自然現象でもなく、一種の戦争。想定外のことで普通の建築設計の上では考えていないこと。無力です。ただ、ビルはすぐには崩壊しなかったので逃げる余地があり、避難階段が役立ったとも言える」と話している。
Sankei.Web
高層ビルなぜ崩壊 耐震性弱く/鉄骨が熱で溶解
ニューヨークの世界貿易センタービル崩落のシーンは、日本の建築関係者に衝撃を与えた。「衝突は、設計上の想定外」としつつも、超高層ビルが崩れ落ちた経緯に関心が集まっている。同ビルは日系人建築家、ミノル・ヤマサキ氏が設計し、一九七〇年代に順次オープン。七六年に製作されたリメーク版の映画「キングコング」でクライマックスの舞台に選ばれるなど、ニューヨークのシンボル的存在だった。設計にかかわった平山健一氏は、「賃貸ビルとして有効利用できる面積を広く確保するため、フロア内には柱を一切使用していない。四方の壁だけで支えられている状態で、使い勝手が自由なことが最大の特徴だが、半面、耐震性は極めて弱い」と指摘した。
都市設計家で都市防災問題に詳しい山田雅夫さんも、アメリカの建築物に共通する耐震性の弱さを指摘する。最初の航空機が衝突したのは百十階建ての世界貿易センタービルの百七階付近。山田さんは「崩壊する様子をテレビで繰り返し見たが、わずか三階分の重さでビル全体が数秒で崩れるなど、日本の建築基準では考えられない」と驚きを隠さない。山田さんは「一般にアメリカの建物は耐震性が弱い。マンハッタン島は島全体が強固な岩盤でできており、地震も少ないことから、耐震性の弱さは世界貿易センタービルに限らず、マンハッタン島のすべての高層ビルに共通すると考えられる」という。
一方、高田毅士東大工学部助教授(建築構造学)は、「航空機が激突した横からの衝撃だけでは今回のように全壊はしない。柱の鉄が熱せられて溶け始めると、耐久性がなくなり、崩壊してしまう」と、火災による熱の影響に注目。前日本建築学会会長の岡田恒男東大名誉教授(耐震工学)も「航空機には相当の燃料が積んであっただろうし、外壁や内壁も燃焼して長時間で熱を受けたため、積み木くずしのように崩壊が上から下に波及した」と推定したうえで、「今回の事態は一種の戦争。普通の建築設計としては想定外の事態としかいいようがない」と話している。
Sankei.Web
隣接ビル次々倒壊 同じ地盤、影響深刻
【ニューヨーク15日=有元隆志】世界貿易センタービルへの自爆テロでは、ツインタワーの崩壊にとどまらず、隣接する複数のビルや真下を通る地下鉄のトンネルも崩壊するなど、被害は広がっている。想像を絶する飛行機の激突と火災、ビル爆発の衝撃が周辺ビルに大きなダメージを与えたものとみられる。これまでにツインタワーに隣接し、被害を受けたビルは「第五ビル」「第七ビル」が全壊、「第四ビル」「第六ビル」、マリオットホテルが半壊となっている。さらに、道路を隔てた向かい側のミレニアムヒルトンホテルを含む少なくとも十棟以上のビルが大きな被害を受けている。いずれも数十階建ての高層ビルばかりだ。周辺のビルは地下街で結ばれており、同じ地盤の上に建っていた。被害状況を分析した現地の建築関係の専門家からは、百十階のタワーが一気に崩落した強い振動で地面が激しく揺れ、強い地震がおきたような状態となって、隣接する建物を支える柱に影響を与えた−との指摘がでている。巨大な高層ビルがあっという間に炎上、崩壊するという事態は前例がないため、現地の専門家は貿易センターから数ブロック四方の建物は、たとえ外面上は無傷でも、内部の詳しい検査が必要と強調している。また、貿易センタービルの地下は七層に分かれ、鉄道や地下鉄のターミナル駅にもなっている。特にニューヨークとニュージャージーを結ぶ鉄道は地下深くを走っており、市交通当局では「いつ駅を復旧することができるかまったくわからない」と話している。
Sankei.Web
超高層ビルのもろさ指摘 大阪市消防局
米中枢同時テロの標的となった世界貿易センターは、一九九三年にも地下駐車場に仕掛けられた爆弾によるテロで死者六人、負傷者千人以上を出す大惨事が起きている。この二カ月後、現場調査した大阪市消防局の専門家は、超高層ビルの一斉避難の難しさと意外なもろさを指摘した報告書をまとめていた。
高さ約四百メートルを超える百十階建てのツインタワーを中心に構成される同センターは、爆弾テロの際も、短時間に地下から最上階まで煙が拡散。停電などで防災システムが機能しない中、一斉避難を迫られ、ビル内の数万人が全員避難するまで約三時間かかった。調査に当たった同消防局の岡武男施設課長によると、二棟の超高層ビルには非常階段が三経路ずつあるが、幅は大人が二列で歩ける程度。一斉避難では下層階で人が滞留し、一階下りるのに二分程度かかるほど込み合うという。エレベーターも約百基ずつ設置され、火災を感知すると指定階に戻るよう設定されているが、爆弾テロでは爆発の衝撃で全基が停止したという。今回も航空機激突の衝撃で即時停止し、エレベーター内に閉じこめられた人が多数いる可能性が高いとみている。
岡課長は「航空燃料は激しく燃え、通常の火災より高熱の千度以上になる。航空機の突入階より上には、熱や煙が一気に上がり、炎が火の玉状になって拡散したのでは」と推測する。調査時には最上階など三カ所に約十九キロリットル入り水槽が設けられ、95%のフロアにスプリンクラーが設置されていたが、「今回予想されるレベルの火災では、スプリンクラーはまったく効果がない」としている。
Sankei.Web
世界貿易センタービル,高温火災による梁床崩壊が倒壊原因か
米ニューヨークの世界貿易センタービルが航空機の激突によって炎上しただけでなく,倒壊に至ったことは,建築の専門家にも衝撃を与えた。リスクマネジメント会社,EQEインターナショナルの川合廣樹常務取締役は,高温火災による梁床の崩壊が建物倒壊を招いたのではないかと推測している。 「ニューヨークタイムスによると,ジェット機のオイルが燃えて1000〜2000度の高温になったという。建物の耐火は通常,フラッシュオーバー時の1100〜1200度を想定している。想定以上の高温火災で床を支える単純梁が保たなくなって梁床ごと落下し,階下の健全な梁床がその荷重を支えられずに,将棋倒しのように倒壊したのではないか」と話す。現時点で得られた材料に基づく推測だ。 世界貿易センタービルの構造はダブルチューブ形式の鋼構造。建物の外周部とコア周りに列柱を配し,外周部とコア周りの柱に単純梁(一端をピン,もう一端をローラーで支持した梁)を架けわたして床を支えていた。梁が単純支持で,剛接合ではなかったことも,将棋倒しのような倒壊となった一因かもしれないと川合常務はみている。同じような構造の場合,わが国では梁を剛接合とする場合が多いそうだ。
2001/09/20
日経アーキテクチャ
米土木学会が世界貿易センタービル崩壊を解明へ
現地時間の9月11日朝に起きた米国の同時多発テロで,旅客機が激突したために世界貿易センタービルの建物が崩壊したメカニズムなどを研究するため,米国土木学会(ASCE)は調査検討チームを結成した。 チームは世界貿易センタービル担当と,米国防総省(ペンタゴン)担当の二つを結成。複合構造物の設計に関する8人のエ キスパートがメンバーとなっている。世界貿易センタービル担当チームのリーダーはコンストラクション・テクノロジー 研究所のジーン・コーリー上級副社長。ペンタゴン担当チームのリーダーは米陸軍のエンジニア調査開発センターのポー ル・ムレーカー博士が務める。調査・研究の結果はいずれ報告書としてまとめる。
【関連サイト】 ◆ASCEのホームページ http://www.asce.org/
2001/09/20
日経コンストラクチャ
世界貿易センターの周辺ビル崩壊は地下構造が原因か
ニューヨークの世界貿易センタービル崩壊に関して,日本建築学会主催の緊急パネルディスカッションが9月22日,東京・本郷の東京大学で開かれ,崩壊の原因,火災や避難の状況,都市防災における課題などについて話し合われた。主催者側のあいさつと趣旨説明の後,5人の専門家からそれぞれ報告があった。
【周辺ビル崩壊の原因は地下構造に】
中部大学教授の野中泰二郎氏は同ビルの倒壊状況について,「ジェット機の爆発に伴う高温で周辺の構造材が軟らかくなり,その上の重量を支えられなくなって崩壊した」と推測。「上部の階が落ちてきた衝撃で下の階が順に破壊され,全体の崩壊に至ったのではないか」と述べた。さらに,航空機が突入した2棟の超高層だけでなく周辺のビルも次々と崩壊した点について,地下の構造に原因があると指摘。付近一帯の複数のビルで共有していた地下構造が超高層の崩壊で破壊されたこと,それに伴って地下擁壁が崩れたことが,ほかのビルの崩壊につながったとの見方を示した。
【多数階の避難を想定していない超高層】
早稲田大学教授の長谷見雄二氏は,鉄骨が高熱に耐えられなかった理由について,航空機の突入によって耐火被覆がはがれ落ち,鉄骨がむき出しになったためではないかと話した。また,避難に時間がかかったことについては,「超高層の宿命」であると指摘。「通常,超高層では出火した階の人だけがまず避難することを想定している。この事件のように複数階が一度に危険にさらされて人々が階段に殺到すると対処できない」と語った。
【階段室の加圧システム維持は不幸中の幸い】
防災都市計画研究所名誉所長の村上處直氏は,同ビルで採用されている階段室の加圧システムについて言及した。「1993年の爆破テロ事件の際には地下の設備が破壊されて加圧システムが働かなかった。そのため煙が階段室に入り込んで被害を拡大した。今回の事件では加圧システムが生きていたのが不幸中の幸い。日本では加圧型のシステムを採用した建物は少なく,非常時に階段室が使えない恐れがある」と警告した。
【240本の柱で囲む構造が避難時間を稼いだ】
続いて,同ビルの設計者であるミノル・ヤマサキ氏の事務所で設計当時働いていたISS総合計画事務所社長の一ノ宮賢治氏が,ヤマサキ氏のほかの作品も紹介しながら,設計意図を解説した。経済性を追求したために崩壊したのではないかと一部で言われていることに対し「ヤマサキの名誉のためにも言っておきたいが,240本の柱で囲んで支えるこの構造だからこそ,すぐに倒壊せずに避難の時間を稼ぐことができ,多く人命を救うことができた」と反論した。
【超高層の危険性】
最後に,日建設計名誉顧問の林昌二氏が「ジェット機と超高層という,ともに20世紀の到達点である技術が引き起こしたことに大きな衝撃を受けた」と語った。「両者に共通するのは常にエネルギーの供給が必要であること。大量のエネルギーを消費する時代の象徴で,すばらしいものである半面,一歩誤ると大変危険であることを今回の事件で痛感した」と述べた。
このパネルディスカッションは,9月22日から24日まで開かれた日本建築学会関東大会の特別セッションとして開催された。学会ではできるだけ早い時期に調査団を現地に派遣する予定だ。
【関連サイト】 ◆日本建築学会ホームページ http://www.aij.or.jp/aijhomej.htm
2001/09/26
日経アーキテクチャ
「航空機衝突で柱が壊れても持ちこたえる構造だった」
「ビルに航空機が衝突することも想定して設計した。衝突面の3分の2の柱が壊されても,持ちこたえる構造だった」。航空機テロで崩壊した米ニューヨーク・世界貿易センター(WTC)のツインタワーの構造設計者であるレスリー・E・ロバートソン氏は,日経アーキテクチュア誌のインタビューにこたえ,このように語った。
設計当時に最大の航空機だったボーイング707型機が濃霧に見舞われて空路を外れ,衝突することを想定した。「707型機衝突が何本の柱を壊すかを計算して設計した。火災や他の有事を除けば,707型機の衝突を吸収できるようになっていた」と言う。
しかし,実際に激突した航空機は767型機で,重量,速度,搭載燃料の点で想定を超えていた。現段階で航空機がビルに衝突することを考えるなら,767型機よりさらに大きいボーイング747型機やエアバス380型機を想定しなければならない。「747型機の衝突を考慮してビルを設計したら,それは建築ではなく,とりでになってしまう。賢明ではない。航空機の衝突に備えてビルを設計するのでなく、『より警備を高めた航空機』と『より警備を高めた航空システム』で対処すべき問題だ」との考えを明らかにした。
ロバートソン氏は,構造事務所のスキリング・ヘル・クリスチャンセン・ロバートソンの一員としてWTCの構造設計を担当した。
2001/11/26
日経アーキテクチャ
タワー頂部の補強材がWTCの崩壊を遅らせた
ニューヨーク世界貿易センター(WTC)ビルが航空機の衝突を受けてしばらく持ちこたえた要因の一つに,タワー頂部の「アウトリガー」の存在があった……。5月に米政府が発表したWTC建物性能調査報告書を解読すると,WTC崩壊の新たな側面が見えてきた。WTCのタワーはチューブ構造。外周部に柱を1m間隔で並べて風荷重を受け持たせていた。コアの柱は建物の重量だけを負担する構造だ。アウトリガーは,タワー頂部で外周部の柱とコアの柱をトラスでつないでいた。
「力学上は,外周部の柱とコアの柱をつなぐ必要はない。アウトリガーを設けたのは,タワーの頂部に設置するテレビ塔を安定させるためだ。どれほど寄与したかは分からないが,アウトリガーがあったおかけで建物を上から吊ったような状態になり,建物がすぐに崩壊しなかったことに寄与した」と,東京工業大学の和田章教授は解説している。
2002/08/07
日経アーキテクチュア
2001年9月11日の航空機テロから1年
崩壊した世界貿易センター(WTC)の建築設計者であるミノル・ヤマサキ事務所の関係者が,元所員の上西昇氏(ニューヨーク在住の建築家)の取材を受けて、ついに重い口を開いた。故ミノル・ヤマサキの次男,キム・ヤマサキ氏は「WTCの構造設計を担当したレスリー・ロバートソン氏も人前では極力冷静さを装っておられるようだが,心に受けたショックは隠しようもないと思う。ある講演会では質問に答えて,あふれ出る感情を抑えることができず,号泣したという。父を思うとき,どうしてもこのことが重なってしまう」と心情を吐露した。ヤマサキ事務所の上席副社長,ヘンリー・ガサード氏は精魂を込めて設計したWTCが崩壊したとき,放心状態になった。「それまでは何とか持ちこたえてほしいと祈るような気持ちでテレビ画面に見入っていたが,崩壊の瞬間,心の画面に何も映らなくなった」と。悲劇から1年になるが,ヤマサキ事務所の関係者はあの日のことをありありと覚えている。まだ悲しみは癒えていない。
2002/09/09
日経アーキテクチュア
WTC跡地の超高層、組織設計事務所のSOMが主導
ニューヨークの世界貿易センタービル(WTC)跡地の再開発で、スキッドモア・オーイングス&メリル(SOM)の パートナー、デビッド・チャイルズ氏が、中心施設となる超高層の設計を主導することになった。7月16日に、コンペで選ばれたダニエル・リベスキンド氏と、デベロッパーのラリー・シルバースタイン氏の代理人が高さ1776フィート(約 540m)の「自由の塔」について話し合って、合意した。合意は、契約としてサインされることになっているが、詳細は明らかでない。
リベスキンド氏とシルバースタイン氏は、再開発のデザインについて、少なくともいくつかの点で対立していた。リベスキンド氏の案では、超高層のタワーの頂上に尖塔があったが、シルバースタイン氏は建設費の上昇につながるとして、難色を示していた。合意の結果、この点がどうなるのかも明らかになっていない。
南マンハッタン開発公社(LMDC)は、チャイルド氏が、デザイン・アーキテクト兼プロジェクト・マネジャーとして、設計チームを率いると発表した。リベスキンド氏は、タワーのコンセプト設計と基本設計に「助言を与える」役割を果たす。「自由の塔は、リベスキンド氏のビジョンと整合する方法で」設計される。
合意は、シルバースタイン氏の事務所での、およそ8時間にわたる「私的なミーティング」の後に発表された。ミーティングには、敷地の持ち主であるニューヨーク・ニュージャージー港湾局の代表も同席したが、シルバースタイン氏本人は出席しなかった。リベスキンド氏は、ミーティングには出席したが、合意の発表には同席しなかった。
なお、SOMは、超高層に多くの実績を持つ米国を代表する組織設計事務所。WTC跡地コンペの際、有力候補と目されていたが、審査の直前になって、辞退するという経緯があった。
2003/07/17
KEN-Platz
■衛星写真■
12日に衛星から撮影されたニューヨーク・マンハッタン
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